『応用物理』オーラルヒストリー
オーラルヒストリー(Oral History)とは,歴史研究のために関係者から直接話を聞き取り,記録としてまとめることですが,科学技術史研究においても有力な手法の一つとして近年重視されています.例えば偉大な発明や発見の動機,背景,ブレイクスルーの糸口,本当に苦心した点など,公式文献だけからは得られない当事者のみが知る貴重な一次資料が得られるところにオーラルヒストリーの特長があります.また,優れた先達の体験談に接することが,研究者,技術者やそれを目指す人々を触発する効果も期待されます.
応用物理学会では,「応用物理」創刊75周年記念事業の一環として,併せて科学研究費特定領域研究「日本の技術革新−経験蓄積と知識基盤−」への協力事業として,下記13件の座談会記録の要点を編集した記事を全文公開していますので,ぜひお読みください.
掲載記事一覧
- 応用物理学会と歩んだ半世紀 応用物理 76 (8), 866 (2007)
- メーザー,レーザーと物理教育 —光の中を歩んで— 応用物理 76 (8), 872 (2007)
- 有機半導体研究の事始めと応用物理 応用物理 76 (8), 879 (2007)
- 固体物理学と産業をつないで 応用物理 76 (8), 885 (2007)
- 青色発光ダイオードを求めて 応用物理 76 (8), 892 (2007)
- 学際領域における導電性ポリマーの研究とノーベル化学賞 応用物理 77 (8), 903 (2008)
- カーボンナノチューブの発見と高分解能電子顕微鏡 応用物理 77 (10), 1173 (2008)
- 超高速長距離光通信の基礎研究 —動的単一モードレーザーの概念とその実現を中心にして— 応用物理 77 (12), 1471 (2008)
- 太陽電池の夢を追って 応用物理 78 (2), 159 (2009)
- GaN青色LED,LD実現への歩み —米国からのメッセージとともに— 応用物理 78 (4), 360 (2009)
- 高電子移動度トランジスタ–HEMT–の発明 応用物理 78 (7), 672 (2009)
- 電子線ホログラフィーとそれが拓く量子の世界 応用物理 78 (8), 795 (2009)
- フォトニクスの新領域を開いた「面発光レーザー」 応用物理 78 (11), 1060 (2009)