APEXのOAジャーナル化について

※本記事は英国物理学会出版局(IOP Publishing)によるプレスリリースを日本語訳したものです。
https://ioppublishing.org/news/iop-publishing-and-the-japan-society-of-applied-physics-convert-applied-physics-express-to-fully-gold-oa/

2023年9月12日午前9時

IOP英国物理学会出版局と応用物理学会が
Applied Physics Express 誌の完全オープンアクセス化を決定

IOP英国物理学会出版局(IOP Publishing, IOPP)と応用物理学会(JSAP)は、応用物理学における新発見の迅速な出版を提供するApplied Physics Express誌(APEX)を完全オープンアクセス(OA)に転換すること発表しました。2024年1月から、APEXに掲載されるすべての論文は、誰でも即座に自由に読むことができます。この変更は、科学成果のよりオープンなアクセスを求める要望の増大と、研究成果をOAジャーナルに発表することを要求する資金提供者の方針を反映しています。

APEX誌のOA化により、論文著者は世界中のより多くの読者に情報を提供できるようになり、物理学研究のリーチと影響力が拡大します。 IOPPの顧客データ解析によると、OAコンテンツは有料コンテンツよりも80%多くダウンロードされ、引用数は30%多く、OAによる研究成果公開の大きなメリットが示されています。

IOPPとJSAPは共に、誰もが物理科学に貢献する機会均等を支持し、OAへの移行が包括的なものであることを保証することを約束します。IOPPは、低所得国および低中所得国に拠点を置く研究者に対して、論文掲載料(APC)の免除を自動的に適用します。 さらに、すべての応用物理学会正会員は20%のAPC割引を受けられます。

IOPP の Head of Partner Publishing and Engagement の Violeta Ribarska のコメント。「APEXは活発かつグローバルな研究者コミュニティを有しており、ジャーナルをOAに切り替えるという私たちの決定は、その需要に合わせたものです。OA出版への動きは著者コミュニティ全体で勢いを増しており、今がまさに転換の時期であると確信しています。既に転換を行ったIOPPの自社誌およびパートナー・ジャーナルでは、論文の平均ダウンロード数と引用率が著しく増加することを経験しています。IOPPは、OA化の利点の実現と研究成果の到達範囲の拡大に対して、JSAPと共に研究者の支援ができることを誇りに思います。」

応用物理学会論文誌企画・編集委員長の本久順一教授のコメント。「10年近く前にIOPPのプラットフォームでAPEXの公開を開始して以来、我々はAPEXが応用物理学会ジャーナルとして、ますます強力になるのを見てきました。APEXは、オープンサイエンスへの世界的な潮流の中にあって、資金提供者の要求にも先んじて対応するため、OA転換は大きくかつ自然な次のステップです。科学コミュニティと協力して、研究成果がさらにアクセスしやすくなるよう期待しています。」