応物セミナー「有機・バイオエレクトロニクスのいま」(全4回)

開催概要

応物セミナー「有機・バイオエレクトロニクスのいま」
第1回 フレシキブル熱電材料/デバイス

日時:
2026年6月1日(月) 13:30~16:30
(オンデマンド視聴:2026年6月4日〜2027年1月29日)
場所:
応物会館3階会議室(東京都文京区)+オンライン(ハイブリッド開催)
講師:
中村 雅一(奈良先端科学技術大学院大学)
内容:

近年,人体や身の回りの排熱を利用するエナジーハーベスティング技術の重要性が増しており,その選択肢の一つとしてフレキシブル熱電材料/デバイスの研究が世界中で盛んに行われている.本セミナーでは,カーボンナノチューブ複合材料を含む有機系熱電材料/デバイス研究をこれから始めようとしている人や興味がある人を対象に,熱電変換の物理的基礎,デバイスの特性を決める要因,ウェアラブル用途などに要求される条件,有機系熱電材料に特有の現象やメカニズム,実際の熱電特性や熱伝導率測定における注意点などの基礎的知識を解説した後,我々がこれまで行ってきた研究から,有機半導体特有の新現象である巨大ゼーベック効果や,カーボンナノチューブ複合材料糸を使ったフレキシブル熱電変換素子などの研究例を紹介する.

【目次】
1. 熱電変換素子とは
2. ゼーベック効果の基礎
3. 熱電材料研究の現状概観とフレキシブル熱電変換素子への要求
4. 有機系熱電材料の評価法と注意点
5. 有機系熱電材料の広範囲サーベイ結果
6. 当グループの材料戦略1:低分子系有機半導体における巨大ゼーベック効果
7. 当グループの材料戦略2:CNT間分子接合による熱・キャリア輸送独立制御

応物セミナー「有機・バイオエレクトロニクスのいま」
第2回 有機太陽電池

日時:
2026年6月12日(金) 13:30~16:30
場所:
応物会館3階会議室(東京都文京区)+オンライン(ハイブリッド開催)
講師:
尾坂 格(広島大学)
内容:

有機薄膜太陽電池は,塗布プロセスにより製造可能であることからプラスチック基板上に作製できるフィルム太陽電池であり,軽量,柔軟,半透明といった特長をもつことから,従来のシリコン型では設置できなかった場所での利用が期待されている.有機薄膜太陽電池は,同様のフィルム太陽電池であるペロブスカイト型に比べてエネルギー変換効率は劣るものの,安定性は高く,有害な鉛などの重金属を含まないという点において優位性がある.近年,発電材料である有機半導体の開発が進み,エネルギー変換効率は20%に到達するなど,有機薄膜太陽電池の性能は格段に向上している.本講演では,有機太陽電池の基礎から高効率化に向けた重要課題や最新の開発動向,今後の展望について解説する.

【目次】
1. 有機薄膜太陽電池の現状
2. 他の太陽電池との違い
3. 発電メカニズム
4. 材料に求められる機能
5. ドナー材料
  5.1 結晶性向上
  5.2 分子配向制御
6. 電圧損失抑制
  6.1 有機薄膜太陽電池の電圧損失
  6.2 電圧損失抑制に向けた分子設計
7. アクセプター材料:フラーレンと非フラーレンの違い
8. 低コスト材料
9. シースルー型太陽電池への応用

応物セミナー「有機・バイオエレクトロニクスのいま」
第3回 有機EL

日時:
2026年7月3日(金) 13:30~16:30
場所:
応物会館3階会議室(東京都文京区)+オンライン(ハイブリッド開催)
講師:
城戸 淳二(山形大学)
内容:

有機ELは,有機半導体を用いた発光素子であり,有機LED(OLED)とも呼ばれる.
1987年に報告されたブレークスルー論文では,正孔輸送層と電子輸送層からなる有機半導体薄膜を積層することで,低電圧かつ高輝度の発光が実現され,大きな注目を集めた.
その後,発光材料の改良や電荷注入層の導入などにより高性能化が進み,1990年代後半には実用化が始まり,国内メーカー主導でパッシブ型ディスプレイの量産が実現された.
一方,TFTを用いたアクティブ型についても国内で開発・生産が進められたが,現在では海外メーカーがスマートフォン向けや大型テレビ向けの生産を主導している.
本講義では,有機半導体材料の基礎から有機ELへの応用,さらに製造プロセスに至るまで,この約30年にわたる研究開発の進展を振り返りながら解説する.

【目次】
1. 有機半導体の基礎
2. 有機ELの構造
3. 高性能化に向けて
4. ディスプレイへの応用
5. 製造方法の変遷
6. 照明への応用

応物セミナー「有機・バイオエレクトロニクスのいま」
第4回 フレキシブル・ストレッチャブルエレクトロニクス

日時:
2026年7月24日(金) 13:30~16:30
場所:
応物会館3階会議室(東京都文京区)+オンライン(ハイブリッド開催)
講師:
関谷 毅(大阪大学)
内容:

本講義では,近年急速に発展を遂げている「フレキシブル・ストレッチャブルエレクトロニクス」について,その基礎から最新の応用例までを概説する.
まず,フレキシブル・ストレッチャブルエレクトロニクスやこれを活用した大面積エレクトロニクスの技術トレンドを振り返り,デバイスの「柔軟性(フレキシビリティ)」から「伸縮性(ストレッチャビリティ)」への進化の背景と課題を共有する.続いて,この分野を支える主要な要素技術として,伸縮性導電材料(液体金属,金属ナノワイヤ,導電性高分子など),伸縮性トランジスタ,発光デバイス,生体適合性材料,および超薄型エネルギーハーベスタ等について,材料科学とデバイス工学の両面から解説する.
後半では,フレキシブル・ストレッチャブルエレクトロニクスに極薄のコンセプトを組み入れた生体情報計測システムに関する取り組みを紹介する.極薄有機差動増幅回路を用いた低ノイズ生体信号計測や,社会実装が進む脳計測センサシステム,血管内ブレイン・マシン・インターフェースの具体例を取り上げ,最新の研究成果や論文動向も交えながら解説する.最後に,本技術が切り拓く次世代のヘルスケア・医療,およびデジタル社会への展望を議論する.

【目次】
1. イントロダクション
  ・大面積エレクトロニクスの技術トレンド
  ・フレキシブルからストレッチャブルへの進化と課題
2. フレキシブル・ストレッチャブルエレクトロニクスを支える要素技術
  ・伸縮性導電材料(液体金属,ナノワイヤ,導電性高分子など)
  ・伸縮性トランジスタと集積回路
  ・伸縮性発光デバイス
  ・生体適合性材料とソフトアクチュエータ
  ・超薄型エネルギーハーベスタ
3. 極薄・伸縮性エレクトロニクスによる生体情報計測と応用(最新動向)
  ・極薄有機差動増幅回路による低ノイズ生体信号計測
  ・社会実装が進む脳計測センサシステム
  ・血管内ブレイン・マシン・インターフェースへの展開
4. まとめと将来展望
  ・IoT・デジタル社会とヘルスケア・医療への貢献

受講料(消費税込み)

社会人 学生
会員※2 非会員 個人会員 非会員
応物セミナー「有機・バイオエレクトロニクスのいま」
第1回 フレシキブル熱電材料/デバイス
(オンデマンド視聴申込 受付中)
5,000円 10,000円 1,000円 3,000円
応物セミナー「有機・バイオエレクトロニクスのいま」
第2回 有機太陽電池
(オンデマンド視聴申込 受付中)
5,000円 10,000円 1,000円 3,000円
応物セミナー「有機・バイオエレクトロニクスのいま」
第3回 有機EL
(オンデマンド視聴申込 受付中)
5,000円 10,000円 1,000円 3,000円
応物セミナー「有機・バイオエレクトロニクスのいま」
第4回 フレキシブル・ストレッチャブルエレクトロニクス
(オンデマンド視聴申込 受付中)
5,000円 10,000円 1,000円 3,000円

※1 セミナー終了後,アーカイブの販売(オンデマンド配信およびテキスト)を予定しております.

※2 会員には,応用物理学会個人会員と賛助会員企業にご所属の方が含まれます.賛助会員一覧

参加申込(リンク先:決済サイト(イベントペイ))

応物セミナー「有機・バイオエレクトロニクスのいま」
第1回 フレシキブル熱電材料/デバイス オンデマンド視聴申込

申込締め切り:2027年1月29日(金) 正午

応物セミナー「有機・バイオエレクトロニクスのいま」
第2回 有機太陽電池 オンデマンド視聴申込

申込締め切り:2027年1月29日(金) 正午

応物セミナー「有機・バイオエレクトロニクスのいま」
第3回 有機EL オンデマンド視聴申込

申込締め切り:2027年1月29日(金) 正午

応物セミナー「有機・バイオエレクトロニクスのいま」
第4回 フレキシブル・ストレッチャブルエレクトロニクス オンデマンド視聴申込

申込締め切り:2027年1月29日(金) 正午

※ 当セミナーの通し券の受付はありません。

講師略歴

中村 雅一(奈良先端科学技術大学院大学)

博士(工学)大阪大学.1990–2000 株式会社東レリサーチセンター 半導体中のドーパント分布評価などの研究に従事.(その間1994–1997 アトムテクノロジー研究体(JRCAT) 基板表面原子配列制御による有機薄膜の配向制御および走査型プローブ顕微鏡を用いた有機薄膜の構造・物性評価に関する研究に従事.)2000–2011 千葉大学工学部 有機薄膜トランジスタの作製法と物性研究および走査型プローブ顕微鏡による局所電気物性評価に関する研究に従事.2011– 現職.現在は,主に有機エレクトロニクス全般とフレキシブル熱電変換素子に関する研究を進めている. 応用物理学会 1988年より会員,2017–2018 理事・機関誌編集委員長,2026–2027 薄膜・表面物理分科会幹事長

尾坂 格(広島大学)

2002年 筑波大学大学院工学研究科 博士課程修了(学位取得)
2002年 富士フイルム
2006年 米国カーネギーメロン大学 博士研究員
2009年 広島大学 助教
2013年 理化学研究所 上級研究員
2016年 広島大学 教授
2013年 高分子学会日立化成賞受賞
2022年 日本化学会学術賞受賞

城戸 淳二(山形大学)

1984年早稲田大学理工学部応用化学科卒業,1989年ニューヨークポリテクニック大学大学院にて博士修了,1989年より山形大学,現在に至る.山形大学で有機電界発光素子(有機EL)の研究をスタート.以来,有機ELの材料,デバイスの開発に従事し,93年には世界初の白色発光素子の開発に成功,総額50億円の経済産業省の有機ELテレビ開発プロジェクトの総括責任者,2003年より7年間,山形県有機エレクトロニクス研究所長も務め,有機EL照明器具の実用化に貢献した.2013年紫綬褒章受章.

関谷 毅(大阪大学)

1999年大阪大学基礎工学部を卒業後,東京大学大学院工学系研究科に進学し,2003年博士(工学)を取得.同年同大学助手に着任後,助教,講師,准教授を経て,2014年より大阪大学産業科学研究所教授を務めている.2017年より同大学栄誉教授,現在は総長補佐およびJST COI-NEXT大阪大学「住民と育む未来型知的インフラ創造拠点」拠点長を兼任.この間,日本学術会議会員(第三部幹事),内閣府マテリアル戦略有識者会議メンバー,文部科学省大学研究力強化部会委員,同省ナノテクノロジー・材料科学技術委員会主査代理,アメリカ化学会誌『ACS Nano』エディター,日本工学アカデミー理事,応用物理学会理事,AMED「ストレス領域」研究開発副総括などを歴任.ナノテクノロジーなどの基礎物性研究から社会実装に及ぶ広範な活動を行っている.代表的事例として柔らかいエレクトロニクスの先駆的研究,極低侵襲ブレイン・マシン・インターフェースの開拓と医療機器への応用などがある.

お問い合わせ先

応用物理学会事務局 人材育成・教育企画担当
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