キャリアパスと研究者 Vol.4 富樫理恵さん
准教授
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自己紹介
私は,上智大学理工学部機能創造理工学科で教員・研究者として働いています.機能創造理工学科には機械工学,電気電子工学,物理学の3つのコースがあります.なかでも私は,電気電子工学分野で半導体を専門としています.
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未来を創る 小さな結晶の力
私は,社会に役立つ機器の実現を目指した半導体結晶の開発に取り組んでいます.
研究中の結晶は,「マイクロLED」という小さなLEDの材料として,VR/AR機器用のメガネなどへの応用が期待されています.また,電気自動車などへの応用が期待される半導体結晶についても研究しています.
私たちは,この結晶から光の三原色である赤,緑,青の3色を,いかに明るく,そして長時間発光させられるかということに取り組んでいます.
そこで,非常に小さなものを観察できる電子顕微鏡を使って,結晶を観察しています.
また,結晶を作るときは,「分子線エピタキシー」という結晶成長装置を使います.こういった装置を使って,目的とする発光を実現しようと取り組んでいます.
そのほかにも,次世代のパワー半導体材料として期待されている酸化ガリウム半導体結晶にも着目した研究をしています. -
研究への想い
毎日の実験の,日々の積み重ねが,「社会を変える一つになるかもしれない」.そういったことが,とても魅力的な仕事だと感じています.
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日常を支える絆と「感謝」
私には9歳と4歳の子どもがいます.家に帰れば,子ども中心の生活となります.
夫をはじめ,研究室のスタッフの皆さん,学生,同僚の先生方の支えがあってこそ,研究と仕事の両立ができています.日々,感謝の気持ちを忘れないようにしています. -
理系分野に進んだきっかけ
私が高校生の頃は,ちょうど「生命工」「ゲノム解析」,そういったキーワードが非常に人気な時代でした.生命に関する新しい未知のことがわかるというところに感銘を受け,理系や研究者という道に憧れや興味を持ちました.
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大学進学 —幅広い学びの中で出会った今の研究—
大学では有機化学,無機化学,物理化学を主に学びました.私が進んだのは,半導体結晶成長を主に専門とする研究室でした.当時の私はそこまで深く考えていたわけではありませんが,「社会に役立つLED」といったキーワードが,非常に魅力的で,社会につながることが非常に印象的でした.
さらに,直感で「面白そう!」と感じる研究室であったことも(研究室を)決めた一つの要因です. -
「用意された正解」から
「答えのない未知」へ研究室では,教科書に載っていることを学ぶだけではなく,未知の世界のことを自ら解き明かしていく.そのようなことが非常に面白かったです.研究室は,一人で勉強や研究するのではなく,いろいろな方々と議論をし,あるいはチームで研究を行っていく場所です.仲間と一緒に研究した思い出,それは今の研究にもつながって,非常に重要なところだと思っています.
私の研究室に所属している学生にも,このような研究の面白さ,経験をしてほしいと思い,指導にあたっています. -
進路選択のアドバイス
進路を選ぶとき,「完璧に決めなければいけない」と思っているかもしれません.でも,最初から正解を決める必要はないと私は思っています.
私自身も,初めから正解を決めて進んできたわけではありません.
大学で学び,研究室に入り,「面白い!」という思いを常に大切にして,一歩踏み出してほしいと思います. -
プロフィール
岐阜県立岐阜高等学校卒業.東京農工大学工学部応用分子化学科卒業,同大学院工学府応用化学専攻博士後期課程修了.博士(工学).東京農工大学工学府教務職員,同大学院工学研究院助教,スウェーデン・リンショーピン大学物理化学生物学科訪問研究員,上智大学理工学部機能創造理工学科助教などを経て,2023年4月より上智大学理工学部機能創造理工学科准教授.半導体結晶成長を専門とし,窒化物半導体や酸化物半導体を用いた次世代発光デバイス・パワーデバイス材料の研究に取り組んでいる.