理系出身の女性たち Vol.16 応用物理学会 男女共同参画
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後輩へのメッセージ
自分の専門分野を多岐に広げていくことは,どんな仕事においても重要なことだと感じています.いろいろなプロジェクトや研究活動には,多くの分野の垣根を越えたところで成果がでます.自分の専門を生かしながら,できるだけたくさんの分野に視野を向けてください.
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理工系に進んだきっかけ
子供の頃から,理科が好きでした.母も大学では理系出身だったためか,小さな頃から,いろいろな分野の科学館やプラネタリウム,国内の射場施設を見に連れて行ってくれ,宇宙を好きになるきっかけとなりました.小学校2年生の時に,宇宙開発事業団(現在の宇宙航空研究開発機構)種子島宇宙センターに行き,「ここが宇宙の入り口なんだ!」と大感激.宇宙の「仕事」を意識するようになりました.
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転機や飛躍に関するエピソード
入社後に働きながら大学院へ入学し,「宇宙放射線計測」の博士課程を取得したことです.出産後翌年の入学で,開発員,妻・ママ,学生の3足のわらじを履いていました.とても忙しい中での勉強でしたが,社内の育児支援制度を充実させる提案もでき,とてもいい経験でした.
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プロフィール
略歴
- 1999年3月奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス科 博士前期課程修了
- 1998年4月特殊法人 宇宙開発事業団(独立行政法人 宇宙航空研究開発機構の前身)入社
- 2003年3月大学法人 東京大学 新領域創成科学研究科 大学院研究生 修了
- 2008年9月大学法人 総合研究大学院大学 高エネルギー加速器研究科 博士後期課程修了
工学博士 - 2008〜09年①国際宇宙ステーション「きぼう」船内の宇宙放射線計測代表研究者
②社内研究「月面有人活動のための宇宙放射線研究(計測・生物影響・遮蔽防護)」の代表研究者
受賞
- 2010年9月第2回都河賞(現JWEF女性技術者に贈る奨励賞)受賞
- 2012年10月JAXA理事長表彰 受賞
- 2013年5月Asian Association for Radiation Research Young Scientist Award受賞
* 応用物理学会 放射線分科会 幹事(2003,2004年度)
仕事の分野
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①有人宇宙技術のための宇宙放射線計測
- 国際宇宙ステーション日本の実験モジュール「きぼう」の船内放射線環境モニタリング
- 国際宇宙ステーション日本の実験モジュール「きぼう」のライフサイエンス実験のための被ばく線量計測
- アジア人宇宙飛行士の個人被ばく線量計測
- ②宇宙での遮蔽防護のためのシミュレーションコードの開発
- ③月周回衛星による月面被ばく線量計測
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