応用物理学会「未来ビジョン」

3. 学校・学び

未来ビジョン 3.学校・学び ビジュアル
知が心を満たし人とつながる / 学ぶことで心が豊かになる

未来社会において,「学び」は知識を蓄える行為から,純粋な知的好奇心に基づく営みへと変わります.新しいことを知る喜び,長年の疑問が解けたときの感動,異なる視点に触れて世界の見え方が変わる体験.学びの本質的な価値は,知識の蓄積そのものではなく,こうした経験を通じて人とつながり,心が豊かになることにあります.そして,このような学びを通して,人が自らの問いを起点として世界と関わることができる社会が実現されます.

そのような社会の実現に向けて,学びの在り方も大きく変化します.時間や場所の制約を超え,いつでも・どこでも・さまざまな人や対象から学ぶことが可能となり,現実の世界とデジタルの世界,過去と現在,基礎と応用といった多様な軸が自然につながります.例えば,世界中の人々と共に学び合い,過去の人物と対話し,自然や実社会の現場での体験を共有できるようになります.学びは一方向ではなく循環的に展開し,新たな知の創出と個人の成長を同時に支える基盤となります.

「応用物理学」は,このような未来の学びを支える基盤となる科学・技術を創出します.応用物理学は,「なぜそうなるのか」を探求する基礎科学と,「それをどのように活用するか」を追求する応用工学を往還させ,光・情報・材料・デバイスといった多様な分野の知識を深化させるとともに,それらを横断的に統合することで新たな価値を生み出します.例えば,電子の性質の理解から新しい情報通信技術が生まれ,光の性質の理解から新しい医療技術が生まれています.さらに,これらの技術の統合により,五感インターフェースや高度な情報通信技術,ユーザーフレンドリーな計測デバイスなどが実現され,人の感覚や認知に直接働きかける新たな学習環境が創出されます.

応用物理学が切り拓く未来において,学びはより自由で主体的な営みとなり,人は生涯にわたり学び続けることが可能になります.そして,知が人の内面を満たし,他者とのつながりを生み出す豊かな社会の実現に貢献します.

6 MIRAI-VISIONS

6つの未来ビジョン