応用物理学会「未来ビジョン」

2. 暮らし
(モビリティ・街・住居)

未来ビジョン 2.暮らし ビジュアル
時間,空間から解放された自由で豊かな暮らし
~君たちはどう暮らすか?~

未来の暮らしは,リアルとバーチャルが自然に溶け合い,時間や空間に縛られない生き方が当たり前になります.遠隔(テレ)技術と仮想地形(テレイン)生成技術の進歩により,現実世界と仮想空間を融合した「XRテレインテグレーションシステム」が誕生します.これにより,離れた場所にいても互いの空間を共有しているかのような臨場感が生まれ,仕事・学び・趣味の質が大きく向上します.モビリティは「移動する居住空間」へと進化し,自動運転技術の進歩により,安全で快適な空間の中で,移動中でも仕事や休息を楽しむことができます.生活空間にはAIやロボットが自然に溶け込み,愛らしい動物型エージェントや家事ロボットが身体的・精神的・社会的な健康をより高い次元で維持・向上させる「ウェルネスケアテクノロジー」が,私たちの活動を持続的に支えます.さらに,五感を記録できる「人工共感覚メモリ」により,香り・触感・風情をまるごと保存し,思い出の場面や感情までも色褪せず追体験できるようになります.そして,どれほど技術が進んでも,季節の移ろい,家族や地域のつながり,手仕事の温もりといった,変わってほしくない価値は大切に守られ続けます.未来技術はそれらを置き換えるのではなく,自然と調和しながら一人一人の豊かな暮らしを支える存在となります.

こうした未来社会を支える基盤として,大いに活躍するのが応用物理です.高性能半導体デバイスは,AIの高度化,自動運転の安全性向上,家事ロボットの精密な制御を可能にします.光学技術は,3Dホログラムの高精細化や未来型アルバムの臨場感を支え,ナノ材料や量子技術は,超高性能センサ・コンピュータの実現に欠かせません.また,環境と調和するエネルギーによる社会インフラなど,応用物理は「便利さ」だけでなく「安心・温かさ・持続可能性」を両立する未来の暮らしを支える原動力となるでしょう.

6 MIRAI-VISIONS

6つの未来ビジョン