OYO BUTURI
Vol.88
No.9
2019
9
20199889585
応用物理 第88巻 第9号 (2019)
今月号の概要

半導体材料とその応用/有機EL解析技術/擬1次元構造の合成と評価

『応用物理』編集委員会

今号では,半導体材料とその応用,有機EL解析技術,擬1次元構造の評価と合成に関する研究事例を取り上げています.

まず,「総合報告」では,HfO2薄膜の強誘電性を取り上げます.強誘電性HfO2の特徴であるドーピング効果とその起源,さらに新規電子デバイスへの応用例を紹介します.

次に「解説」では,ゲルマニウムスズ混晶半導体材料を取り上げます.ここでは,直接遷移型半導体・高いキャリヤ移動度・低い結晶成長温度などの特長を有するゲルマニウムスズに関して,これまでの結晶成長技術とそのヘテロ構造および電子物性について紹介します.

さらに,「研究紹介」では,3件の記事を取り上げます.まず,有機発光デバイスである有機ELに関して,時間分解フォトルミネセンス分光を用いた劣化解析について紹介します.有機ELはすでに実用化されていますが,劣化機構には不明な点が多く,さらなる耐久性の向上を目指すための基盤となる解析技術の紹介になります.続いて,2件の擬1次元構造の評価と合成に関する記事を取り上げます.1件めは,グラフェンナノリボンのボトムアップ合成に関する研究を紹介します.十数年前には想像もできなかった原子レベルで厳密に分子構造を制御し可視化可能な技術は,ナノテクノロジーの神髄をかいま見させてくれます.最後に,超高真空下でも直接的かつ簡便に伝導特性を評価可能な4端子測定法技術と実際に擬1次元構造を評価した結果を説明します.一般的に半導体再構成表面上における電気伝導測定は非常に困難であることが知られていますが,工夫を凝らして開発された測定機構により表面電気伝導特性への新たなアプローチが実現しました.

応用物理 第88巻 第9号 p.585 (2019) 掲載