OYO BUTURI
Vol.88
No.8
2019
8
20198888522
応用物理 第88巻 第8号 (2019)
解説

細胞検索エンジンが(ひら)く新世界 ── 生命科学・医療・バイオ産業への展開

合田 圭介1

細胞は極めて多種多様であり,細胞内分子の空間分布,遺伝子の発現などの構造や形態を理解することは生物学において非常に重要であるが,従来の技術では解析速度と解析情報量の間にはトレードオフが存在する.この課題を克服するため,これまでにない速度で画像に基づく細胞分取を実現するインテリジェント画像活性細胞選抜法(iIACS)を開発した.これは,細胞をマイクロ流体チップで高速に流し,超高速蛍光顕微鏡で得られた画像から深層学習などによりリアルタイムで分析し,分取技術で選抜する検索エンジンの細胞版的な技術である.本技術により,細胞の構造や形態などの空間的情報に基づいて微生物や血液を対象とした高速細胞分取を実現した.生命科学における発見や,バイオ産業や医療の発展への寄与が期待される.

  • 1 東京大学 大学院理学系研究科
応用物理 第88巻 第8号 p.522 (2019) 掲載