OYO BUTURI
Vol.88
No.7
2019
7
20197887456
応用物理 第88巻 第7号 (2019)
研究紹介

GHz帯圧電薄膜共振子による小型原子時計システム

原 基揚1

(国研) 情報通信研究機構(NICT)では日本標準時の生成・維持・配布を行っており,標準時の源となるのが原子時計である.この原子時計を小型化する動きが,近年,国内外にて進展しており,NICTにおいても原子時計のチップ化が進捗している.我々は,原子時計向けの超小型マイクロ波発振器およびアルカリ金属ガスセルの開発に成功し,良好な原子時計動作を得るに至っている.マイクロ波発振器およびガスセルはMEMS技術を駆使して作製され,ウェーハプロセスによる微細化と優れた量産性を有する.また,マイクロ波発振器はLC発振器を水晶発振器で安定化する従来の手法と異なり,GHz帯のMEMS発振器のみで構成される.そのため,周波数逓倍処理などの複雑な工程を必要とせず,構成は極めてシンプルとなる.本成果は,原子時計システムの大幅な小型・低消費電力化に大きく寄与する.

  • 1 国立研究開発法人情報通信研究機構
応用物理 第88巻 第7号 p.456 (2019) 掲載