OYO BUTURI
Vol.88
No.7
2019
7
20197887444
応用物理 第88巻 第7号 (2019)
今月号の概要

スピントロニクス/光導波路/リチウムイオン電池/透過型電子顕微鏡/原子時計

『応用物理』編集委員会

今号では,トポロジカル絶縁体に関する記事に始まり,スピントロニクスや磁性,電池,プラズモニクス,電子顕微鏡・原子時計といった幅広い研究・技術分野について,最先端研究を紹介します.

「解説」では,絶縁体でありながら表面においては金属と同様に電気を通すという大変ユニークな特徴を有するトポロジカル絶縁体について,その基礎から将来的な応用に至るまで幅広い観点にて解説します.

「研究紹介」では,6件の記事を取り上げます.まず,数分以下の急速充電を可能にするリチウムイオン電池技術について解説します.これまで誘電体酸化物をはじめとする人工的な固体電解質界面を導入することで,活物質‐電解液間の電荷移動抵抗が大幅に低減しており,その研究内容を紹介します.次に,GHz帯圧電薄膜共振子による小型原子時計システムに関して,MEMS技術を用いたマイクロ波発振器やガスセルによる原子時計技術を紹介します.また,スピントロニクスに関する技術として,スキルミオンと呼ばれる磁気構造の理論研究を紹介します.ここでは,スキルミオンの基礎やスキルミオン特有のマイクロ波誘起現象やそれを用いた素子に関して紹介しています.さらに,プラズモニクスに関する技術として,シリコン導波路に結合可能なプラズモニック導波路とその応用技術を紹介しています.ここでは,光の回折限界をはるかに超えた高集積化が期待されるプラズモニック導波路やグラフェン装荷型スイッチについて解説します.また,ナノ領域の探索にはなくてはならないツールである透過型電子顕微鏡によるナノスケールでの物性評価といった最先端の取り組みを紹介します.最後に,光パルス照射による磁気相互作用の高速制御について,強磁性半導体であるEuO薄膜を用いた実験結果を紹介します.

応用物理 第88巻 第7号 p.444 (2019) 掲載