OYO BUTURI
Vol.88
No.6
2019
6
20196886382
応用物理 第88巻 第6号 (2019)
解説

トンネルFETへの期待と将来展望

高木 信一1

低い電圧変化で急峻きゅうしゅんに電流をオンオフでき,極低消費電力システムを実現する急峻スイッチング素子の有力候補であるMOS型トンネルFET(TFET)の動作原理とデバイス・材料技術を紹介する.TFETは,MOS構造をもつ半導体中に形成されたpn接合に逆バイアスの下で流れるトンネル電流をゲート電圧で制御する.トンネル電流のオンオフは,価電子帯と伝導帯端のエネルギー状態密度がオーバーラップの有無で決まるため,ゲート電圧で急峻に変化させることが可能である一方,トンネル電流量の増大が課題である.本稿では,TFETの優れた電気特性を実現するための手法と現状,また将来動向について解説する.

  • 1 東京大学 大学院工学系研究科
応用物理 第88巻 第6号 p.382 (2019) 掲載