OYO BUTURI
Vol.88
No.6
2019
6
20196886375
応用物理 第88巻 第6号 (2019)
今月号の概要

メモリ/トランジスタ/プラズマプロセシング/超音波診断

『応用物理』編集委員会

今号では,先端デバイス開発,プラズマプロセシング,超音波による血流可視化技術に関する研究 事例を取り上げます.

「解説」では 2 件の記事を取り上げます.まず,深層学習などの機械学習に使われる不揮発性メモリにおいて,エラーを許容することで高速化・低電力化・低コスト化を同時に実現する技術を紹介し,いかに学習の精度を落とさずにエラーを許容するかに着目したメモリの設計指針に関して解説します.
次に,低い電圧変化で急峻きゆうしゆんに電流をオンオフでき,極低消費電力システムを実現できる急峻スイッチング素子の有力候補である MOS 型トンネル FET の動作原理とデバイス・材料技術,将来動向につ いて解説します.

「研究紹介」では 4 件の記事を取り上げます.マイクロコントローラに混載されるフラッシュメモリとして,先端ロジックに採用されている FinFET 構造を有するスプリットゲート MONOS フラッシュメモリを世界で初めて作製した成果を紹介します.次に,深層学習向けの不揮発性メモリの 1 つとして期待される STT-MRAM において,「不揮発性は大きな書き込みエネルギーを必要とする」というジレンマの解消に取り組んだ新技術の提案・開発例を紹介し,さまざまな応用への展開可能性を俯瞰ふかんします.「解説」も含め,ここまでの 4 件は先端デバイス開発に関する記事となります.続いて,パルス変調した熱プラズマを用いたナノ粒子の高効率大量合成について紹介します.原料供給を熱プラズマの変調と同期させることにより,高効率化を実現しています.最後に,超音波で心臓内の血流を可視化する血流速度ベクトル可視化技術である Vector Flow Mapping について,計測原理や精度検証,さらには信頼性担保法について紹介します.

応用物理 第88巻 第6号 p.375 (2019) 掲載