OYO BUTURI
Vol.88
No.5
2019
5
20195885328
応用物理 第88巻 第5号 (2019)
解説

金属ハライドペロブスカイトLED

松島 敏則1

金属ハライドペロブスカイトを発光層としたLEDに関する研究が加速している.金属ハライドペロブスカイトは,優れた自己組織性をもち,溶液プロセスや真空蒸着法などの簡便な方法により薄膜化することができる.また,金属ハライド骨格に起因した高いキャリヤ移動度および半値幅が小さな発光を示す.有機ELとは異なり,1重項励起状態や3重項励起状態といった概念は存在せず,原理的には100%の内部量子効率が得られる.つまり金属ハライドペロブスカイトは,有機半導体と無機半導体の利点を兼ね備えた究極的ハイブリッド材料であり,ディスプレイ用の発光材料として有望である.25年前に最初に発表されたペロブスカイトLEDからは低温でしかエレクトロルミネセンスが観測されなかった.しかし最近では,20%を超える極めて高い外部量子効率が室温でも得られるようになってきた.本稿では,金属ハライドペロブスカイトLEDの研究動向について解説する.

  • 1 九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所
応用物理 第88巻 第5号 p.328 (2019) 掲載