OYO BUTURI
Vol.88
No.4
2019
4
20194884257
応用物理 第88巻 第4号 (2019)
研究紹介

電子移動消光を利用した長残光蛍光体の開発

上田 純平1田部 勢津久1

近年,白色LEDが急速に既存白色光源を置き換えつつあるが,高出力化による発熱により,5d-4f発光を有するCe3+やEu2+蛍光体の温度消光が問題になってきている.これまで温度消光プロセスは,配位座標モデルを用いた熱活性化クロスオーバーで説明されることが多かったが,5d励起電子が伝導帯へ移動する消光機構が存在することをY3Al5-xGaxO12:Ce3+蛍光体において明らかにした.さらに,青色光励起で生じる電子移動消光プロセスを有効に利用することにより,新たな青色蓄光可能な長残光蛍光体開発への展開を行ってきた.また近年,ランタニドイオンとホスト化合物の固体電子構造の半経験的なモデルから,長残光蛍光体における最適電子トラップの予測も可能になってきている.

  • 1 京都大学 大学院人間・環境学研究科
応用物理 第88巻 第4号 p.257 (2019) 掲載