OYO BUTURI
Vol.88
No.4
2019
4
20194884244
応用物理 第88巻 第4号 (2019)
今月号の概要

環境/バイオ/次世代デバイスにおける材料開発・応用の最新潮流

『応用物理』編集委員会

AIやIoTの進展は,大きな技術革新とともに,これまでになかったデバイスの発現や既存デバイスの大幅な性能向上をもたらすことが予想されています.これに伴い,新しい材料の開発を基盤としたデバイス向けの研究が近年盛んになってきています.そこで今号では,次世代半導体からバイオエレクトロニクス,さらには熱源や燃料電池といった環境向けデバイスまでにわたる幅広い分野において,主に材料開発に主眼を置いた研究を紹介します.

「解説」では,微細化が厳しくなりつつあるシリコン集積回路に混載することで新たな機能追加や性能向上を可能にするIII‐V族ナノワイヤ半導体の研究開発を,最新の取り組みも含めて俯瞰ふかんします.

「最近の展望」では,熱電材料への磁性元素導入について取り上げます.従来の熱電材料開発において磁性はそれほど注目されていませんでしたが,本稿では熱電特性向上に生かした例について解説しています.

「研究紹介」では,5件の研究を取り上げます.まず,従来セレンディピティに依存していた長残光蛍光体開発について,バンド構造やトラップ準位などの電子構造に基づいて検討した例を紹介します.次に,シリコンプロセスで用いられる材料と半導体微細プロセスを使ったDNA解読技術の開発例を紹介します.半導体技術の新しい応用例として期待されます.続いて,固体酸化物形燃料電池の電解質として期待されるプロトン伝導性酸化物について,実験的な決定が困難な局所的なプロトントラップを第一原理計算で解明し,実験と組み合わせた例を紹介します.次に,アンモニア合成触媒について取り上げます.高圧・高温を必要とする従来プロセスに対し,低圧・低温下で効率的なアンモニアのオンサイト合成を可能にするエレクトライドの特徴を活用した触媒について,物質科学の視点から概要を紹介します.最後に,紙幣や工業製品などの偽造防止技術への応用が期待される,単結晶シリコンを用いた誘電体メタサーフェス技術を紹介します.

応用物理 第88巻 第4号 p.244 (2019) 掲載