OYO BUTURI
Vol.87
No.12
2018
12
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応用物理 第87巻 第12号 (2018)
今月号の概要

プロセス・評価技術/機能性材料(超伝導体/強誘電体から発電素子まで)

『応用物理』編集委員会

今号では,先端半導体から環境保全,医療診断まで多岐にわたるプロセス・評価技術の最前線と,発電素子/強誘電体/超伝導体といった多様な機能材料の構造・メカニズム解析に基づく先端の研究開発例を紹介します.

「解説」では先端CMOSやメモリデバイスの一層の微細化や高密度化を可能にするプラズマ加工技術を紹介し,プラズマダメージ解析の観点から,同技術がデバイス特性および信頼性に与える影響を俯瞰(ふかん)します.

「研究紹介」では,まずプロセス技術に関する研究例を2件紹介します.カーボンナノチューブの分離技術では,近年の進展が著しい分離の手法に加え,バイオイメージング,室温単一光子源,センサ応用について詳細を紹介します.水プラズマの応用では,水を原料とした熱プラズマである水アークプラズマの生成から,それを用いた廃棄物分解や有機系廃棄物からの資源生成など,最先端の研究成果を紹介します.次に,材料分野へのデータ科学的評価手法の応用として,蛍光イメージングを用いた太陽電池用結晶シリコン中の結晶欠陥の3次元可視化技術を紹介します.機能材料開発に関しては,3件のテーマを扱います.まず,振動エネルギーを電気エネルギーに変換する振動発電技術の中で,発電量と加工簡易性に優れる電気2重層エレクトレットの発電メカニズムと,実際にLEDを用いた点灯実験を紹介します.次に,酸化ハフニウム基強誘電体を取り上げます.高品質のエピタキシャル膜作製により,強誘電体の起源が直方晶相にあること,従来のメモリ材料と遜色ない特性をもつことが明らかとなり,高集積強誘電体メモリ等の実現が期待されます.最後に,鉄系超伝導体の中でも最も単純な構造をもつ鉄カルコゲナイドにおける,薄膜化による超伝導特性向上と多彩な電子相図について紹介します.

「基礎講座」では,シリーズ「バイオ・メディカルイメージング技術の基礎と応用」から,空間分解能を向上させた超音波診断装置(超音波顕微鏡)の原理を解説し,細胞・組織の観察例を紹介します.

応用物理 第87巻 第12号 p.894 (2018) 掲載