OYO BUTURI
Vol.87
No.11
2018
11
2018118711828
応用物理 第87巻 第11号 (2018)
研究紹介

原子内部電場の直接観察

柴田 直哉1,2

20世紀末に磁界レンズの収差補正技術が開発されて早(は)や20年近くが経過した.この間,電子顕微鏡の分解能や感度は格段に向上し,今も分解能向上を目指した装置開発競争が世界中で続けられている.収差補正技術の確立によって,材料・デバイス中の局所原子構造を直接観察できるようになって久しいが,これで十分かといえば,電子を用いる顕微手法のポテンシャルを最大限引き出すまでにはまだ至っていない.本稿では,筆者らが現在開発中である,材料内部の電磁場を直接観察する手法と,それを原子分解能観察に応用して原子内部電場を直接観察した研究について報告する.また,原子サイズ以下に絞った電子線で何が観察できるのか,最新の取り組みと今後の展望についても紹介する.

  • 1 東京大学 大学院工学系研究科総合研究機構
  • 2 一般財団法人ファインセラミックスセンター ナノ構造研究所
応用物理 第87巻 第11号 p.828 (2018) 掲載