OYO BUTURI
Vol.87
No.11
2018
11
2018118711813
応用物理 第87巻 第11号 (2018)
今月号の概要

ナノカーボン光物性/観察・計測技術/半導体製造/バイオミメティクス

『応用物理』編集委員会

今号では,ナノカーボン光物性とオプトエレクトロニクス応用,非平衡プラズマ中の発光スペクトル解析,原子内部電場の直接観察,ミニマルファブでの半導体プロセス,コウモリの生物ソナーシステムに関する技術の展開を紹介します.

「解説」では,2件の記事を取り上げます.まず,カーボンナノチューブやグラフェンの光物性と最近のオプトエレクトロニクス応用として,配向膜などの新たなカーボンナノチューブ材料,発光素子,単一光子発光,励起子ポラリトン,光吸収特性や光検出器などを,基礎から最先端の研究を交えて解説します.次に,発光スペクトルを用いた非平衡プラズマ中の電子温度・密度計測法を紹介します.近年,精力的に研究が進められている大気圧や高圧力プラズマにも適用可能なスペクトル計測法の原理と実測例,今後の展望について解説します.

「研究紹介」では,3件の記事を取り上げます.まず,最先端の透過型電子顕微鏡による,材料内部の電磁場を直接観察する手法や,原子分解能観察に応用し原子内部電場を直接観察した手法について紹介します.また,原子サイズ以下に絞った電子線で何が観察できるか,最新の取り組みについても紹介します.次に,クリーンルームが不要でコンパクトな半導体製造プロセスである「ミニマルファブ」を取り上げ,各装置の「小ささ」が経済性のみならず加工の面でも優位性を有するという事例を物理的な側面から考察します.超小型プロセス空間で見いだされた新しい技術について紹介します.さらに,生物ソナーとしてコウモリのバイオミメティクスについて紹介します.周囲の状況や得たい情報の性質に応じたコウモリの柔軟な超音波運用を模擬することで,高分解能の近距離センサへの適用が期待されており,ここでは生物ソナーの概要と最新の研究成果について紹介します.

応用物理 第87巻 第11号 p.813 (2018) 掲載