OYO BUTURI
Vol.87
No.10
2018
10
2018108710759
応用物理 第87巻 第10号 (2018)
研究紹介

材料学的視点からの骨基質配向性構造の解明ならびに骨配向化促進に向けた骨代替材料の開発

中野 貴由1石本 卓也1

生体骨の機能診断は,現状の骨密度(アパタイトの密度)の評価だけでは不十分である.生体骨内のアパタイト結晶は,異方性の強い六方晶系の結晶構造を示すため,微小領域X線回折法をはじめとするさまざまな材料学的手法を駆使することで,骨基質中のアパタイト結晶のc軸配向性が骨機能を決定する骨質(Bone Quality)指標となる.
アパタイト配向性は,in vivo 応力,骨代謝回転,骨系細胞挙動に敏感であり,骨部位に応じた配向度合いを示す.したがって,骨配向性を指標とすることで,骨組織の再生や疾患形成過程の解明,創薬支援などに広く応用できる.加えて,細胞・分子・遺伝子レベルでの骨配向化機構の理解,配向化制御法や配向化を促進する骨代替材料・デバイスの開発が必須となる.

  • 1 大阪大学 大学院工学研究科 マテリアル生産科学専攻 生体材料学領域
応用物理 第87巻 第10号 p.759 (2018) 掲載