OYO BUTURI
Vol.87
No.10
2018
10
2018108710731
応用物理 第87巻 第10号 (2018)
今月号の概要

ナノ構造の応用/評価技術/スピントロニクス

『応用物理』編集委員会

今号では,デバイス技術から物理定数の精密測定まで多岐にわたる内容を取り上げています.

「解説」では,カーボン系材料に関する2件の記事を取り上げました.1つめの記事ではナノカーボン材料のデバイス応用について,トランジスタ応用から新しい応用であるガスセンサやテラヘルツ波ディテクタまで幅広く解説します.2つめの記事では,パワーデバイスから量子コンピュータまで幅広い応用が期待されるダイヤモンド単結晶の欠陥について,その評価法を幅広く解説します.

「研究紹介」では,5件の記事を取り上げています.フォノンエンジニアリングに関する研究として,シリコンナノ構造を用いた熱流制御の可能性を示す成果を紹介します.次に,シリコンフォトニック結晶を利用した高いQ値を有するナノ共振器に関する研究を取り上げます.スピントロニクスについては,キュリー温度が室温を超えるp型およびn型鉄系強磁性半導体材料の実現およびそのデバイス応用について紹介します.また,医療分野に関する研究として生体骨に関する研究について取り上げ,骨基質中のアパタイト結晶のc軸配向性が骨機能を決定する指標となることや骨基質配向化を促す材料・骨代替材料などについて紹介します.最後に,表面プラズモン共鳴を利用した逆光電子分光法の信号増強について測定例を交えながら紹介します.

「基礎講座」では,超高解像度のバイオイメージング技術であるSTED顕微鏡について解説します.STED顕微鏡の原理,光学系の調整法,試料の準備および測定例までわかりやすく説明します.

「研究の現場から」では,プランク定数の超精密測定についての記事を取り上げます.キログラムは国際キログラム原器により定義されていますが,この定義をプランク定数に基づく定義に変更すべく検討が進められています.そのために必要なプランク定数の決定方法やキログラムの新しい定義による利点を詳しく解説します.

応用物理 第87巻 第10号 p.731 (2018) 掲載