OYO BUTURI
Vol.87
No.9
2018
9
20189879647
応用物理 第87巻 第9号 (2018)
今月号の概要

スピントロニクス/顕微鏡技術/計測・定量技術

『応用物理』編集委員会

「解説」では,最近の非冷却の赤外線イメージセンサについて紹介します.ここでは,近年さまざまな分野で注目されている赤外線イメージング技術について,その基本から実用化技術まで広く取り上げます.

「研究紹介」では,6 件の記事を取り上げます.2件は,スピン軌道相互作用を用いたスピントロニクスに関する記事です.まずは,金属酸化物や自己組織化有機分子を用いたスピンオービトロニクスに関する研究であり,スピン軌道トルクや磁化制御,電流‐スピン流変換の光制御に関する研究を紹介します.もう一方は,III‐V属半導体を用い,ナノワイヤトランジスタを作製し,ゲートによるスピン軌道相互作用の制御に関する研究を紹介します.

次の2件は,顕微鏡技術の応用に関する記事です.1件めは,グラフェンナノリボンの化学的な合成に加えて,その評価として高分解能の原子間力顕微鏡の観察結果についても紹介します.もう1件は,微弱光検出器であるハイブリッドフォトディテクタを用いた1分子の高時間分解蛍光顕微鏡に関する研究を紹介します.

最後の2件は,物質の計測・定量技術に関する記事です.まず,シリコン結晶中の炭素濃度を液体窒素温度や室温でのフォトルミネセンス法で測定する方法について紹介します.さらに,原子間力顕微鏡の発展として,探針先端と試料の2原子間の結合エネルギーを計測することによって原子の電気陰性度を計測する研究を紹介します.

「基礎講座」では,バイオイメージング技術として超解像顕微鏡について解説します.生物細胞の形態やその機能を可視化する手段として使われている蛍光顕微鏡の応用として,高分解能を実現した構造化照明顕微鏡の原理や装置構成,その種類などについてわかりやすく説明します.

応用物理 第87巻 第9号 p.647 (2018) 掲載