OYO BUTURI
Vol.87
No.8
2018
8
20188878568
応用物理 第87巻 第8号 (2018)
今月号の概要

特集「講演会より」

『応用物理』編集委員会

古くからの会員の方々は近年,応用物理学会の春秋の学術講演会に新しい試みが次々と導入されたことはご存じかと思います.一方,最近会員となられた方々や学生会員の方々にとっては,全て当たり前に存在している制度なのかもしれません.講演会における新しい試みはさまざまな機会にPRされてはいますが,制度の詳細や趣旨が会員の皆様に十分には浸透していないものも見受けられます.今号では,講演会企画・運営委員会の協力の下,さまざまな改革を続けてきた春秋の講演会を題材にした特集をお届けします.

前半では,学術的な面での特集として講演会初日に開催されているチュートリアルにスポットライトを当て,各大分類のプログラム委員が推薦する最近好評であったチュートリアル講演の中から以下の3件を選び,その内容を改めて「解説」としてご執筆いただきました.

後半では,講演会を支えている人々に焦点を当て,3つの記事をお届けします.

特別寄稿「応用物理学会講演奨励賞」では,約20年前に始まった講演奨励賞にスポットライトを当て,当時の委員長であった尾浦憲治郎氏に講演奨励賞の歴史や導入当時の思いをご説明いただいたあと,今や本会を牽引(けんいん)する世代となっている初代受賞者の中から2名に,若手であった受賞前後当時の裏話や,現在に至るまでの後日談などを自由に語っていただきました.

座談会「講演会企画・運営の舞台裏」では,歴代の講演会企画・運営委員長にそのときどきで何を考え,将来に向けてどんな思いで運営や改革に取り組んできたのか,さらに講演会や学会への熱い思いを語っていただきました.ページの制約や発言内容の“過激”さから,話された内容の半分程度しかお伝えできないことが残念ですが,裏話や苦労話も含めていかに歴代委員長が講演会に真剣に向き合ってきたかが伝われば幸いです.

特別企画「応用物理学会学術講演会に期待すること」では,本会会員で分野的に近接する他の学会(日本物理学会,生物物理学会,液晶学会など)にも軸足を置いている3名に「応用物理学会講演会の面白さ」や「本会会員に期待すること」をご寄稿いただきました.本会の特徴として,間口が広いこと,何でもありであることが挙げられます.少し引いた視点から,本会の魅力や今後に向けての提言がまとめられています.

さらに,「委員会だより」も特集記事の1つです.2010年春に立ち上がった大分類「ナノカーボン」の立ち上げについて,その前身の合同セッションから関わってこられた秋田成司氏に,大分類立ち上げの経緯や思いをご寄稿いただきました.

講演会の多様な側面や裏側にまでスポットライトを当てた本特集をご覧になることで,さまざまな形で講演会に参加し貢献してこられた方々の熱い思いを感じていただくとともに,会員の皆様がこれまで以上に講演会を有効活用する一助となることを期待しています.

応用物理 第87巻 第8号 p.568 (2018) 掲載