OYO BUTURI
Vol.87
No.8
2018
8
20188878563
応用物理 第87巻 第8号 (2018)
巻頭言

講演会へようこそ

筒井 一生1,2

会員の皆様にとって「応用物理学会」というと,まず春・秋の学術講演会をイメージされる方々も多いのではないでしょうか.毎回,講演件数約4000件,参加者数約7000人という規模からも非常に大きなイベントであることは間違いありません.応用物理学会が扱う学術領域は広く,また時代とともに新しい領域を取り込んできました.学術講演会では,この広い領域でさまざまな研究成果がタイムリーに発表され,そこに集まる多くの研究者同士の議論や交流でそれらがさらに次の段階への発展進化につながっていきます.また,それとともに,学術講演会は多くの学生や若手研究者の登竜門となる場でもあります.自分の研究を初めて外に向けて発表したのが応用物理学会の講演会だった,その経験が研究者としての歩みの一歩だったという方々も少なくないと思います.学術講演会は,学術研究の活性化とともに人を育てる場としても大きな役割を担っているといえます.

歴史の長い学術講演会もときを経てさまざまな変化をしてきましたが,特に近年は多くの新しい試みも導入され,その変化は速く大きくなってきています.背景には,変わりゆく時代とともに応用物理学会が取り組むべき課題がいろいろと出てきたことがありますが,それらに対して学会ないし学術講演会を企画,運営する多くの方々が広く会員の皆様のご意見も伺いながら,新しい企画や試みを次々と打ち出してきたということがあります.

この度,機関誌『応用物理』において,この学術講演会の特集を企画いただきました.学術講演会がときには試行錯誤しながら歩んできた道,現在,そして将来に向けて目指していることなど,趣向を凝らした興味深い切り口で紹介されています.実際に講演会の改革に関わってこられた方々や講演奨励賞受賞者に直接語っていただいた記事,応用物理学会の学術講演会を少し外側から見るとどうなのか,また,過去に行われたチュートリアル講演からの「解説」などがあります.学術研究の進展活性化と人材育成の両面で進化してゆく学術講演会の一端を会員読者の皆様に感じていただければと思います.

応用物理学会としても,春秋の学術講演会をさらに充実した,会員の皆様により多くの満足を感じていただけるものにしてゆけるよう引き続き努めて参ります.皆様からのご意見なども是非お寄せください.今後も皆様に学術講演会にご参加いただき,それぞれに大いに活用していただければと思います.改めまして,「講演会へようこそ!」.

  • 1 応用物理学会講演会企画・運営委員長
  • 2 東京工業大学 科学技術創成研究院教授
応用物理 第87巻 第8号 p.563 (2018) 掲載