OYO BUTURI
Vol.87
No.7
2018
7
20187877493
応用物理 第87巻 第7号 (2018)
今月号の概要

異種材料界面制御/新たなイメージング応用/光加工技術

『応用物理』編集委員会

今号では,異種材料界面制御,新たなイメージング応用,光加工技術に関する記事を取り上げます.異種材料を独自のアイデアで融合させることで,高性能なデバイス化につながる技術が得られています.また,スピントロニクス現象,微小欠陥,生体深部機能のイメージングや,光による材料のエッチングに関して,新たな成果が得られています.

「解説」では,Si基板上へのIII‐V族化合物層のヘテロエピタキシャル成長について論じます.格子整合系材料を用いるという独創的技術と,そのデバイス応用について紹介します.

「研究紹介」では,6件の記事を取り上げます.2件は異種材料界面制御に関する記事です.まず,近年注目されているペロブスカイト太陽電池の高効率化を目指した傾斜型へテロ接合の開発経緯に加え,実用化に向けて重要となるセルの大面積化・高信頼性化に関する研究を紹介します.続いて,自己組織化有機単分子膜を用いた界面制御とゲート絶縁膜技術の研究について,着想に至る経緯もあわせて紹介します.3件は新たなイメージング応用に関する記事です.まず,スピントロニクス現象のロックインサーモグラフィ法によるイメージングに関する研究成果について紹介します.スピントロニクスと熱の融合研究の展望についても示しています.次に,光学式検査手法では解析が困難な微小欠陥を高分解能に検出するミラー電子顕微鏡を取り上げます.電子像形成原理の説明と微小欠陥の検出事例を紹介します.続いて,第2の近赤外光学窓と呼ばれる900〜1400nmの波長帯の蛍光を用いた,生体組織の深部体液動態や神経活動などの機能イメージングについて取り上げます.もう1件は新しい光加工技術を取り上げます.非一様光場の特長を生かした表面平滑化手法である,近接場光エッチングについて紹介します.

「基礎講座」では,全反射蛍光顕微鏡を用いた蛍光色素の1分子イメージングについて解説します.顕微鏡の空間分解能と位置決定精度の違い,実際の観察,データ解析についての具体例と留意点をわかりやすく説明します.

応用物理 第87巻 第7号 p.493 (2018) 掲載