OYO BUTURI
Vol.87
No.5
2018
5
20185875344
応用物理 第87巻 第5号 (2018)
解説

オンデマンドホログラフィック光ピンセット

岩井 俊昭1

光ピンセット技術は,生きた細胞,工業用微粒子,液滴,気泡などを非接触,非破壊で正確に空間操作する技術である.光ビームの正確な位置操作や多様な対象物への適用性を考慮すると,最も有望な技術の1つとして液晶空間光変調器を用いたホログラフィック光ピンセット(HOTs)技術が注目されている.HOTs技術では,ビームスポットの発生と操作は計算機ホログラムを空間光変調器(SLM)に連続入力することで実現している.このため,ホログラムの計算時間がボトルネックになっていた.我々は,物体を配列させるための静止している配列用マルチビームスポットと,物体を捕捉・移動させるための運搬用ビームスポットを同時に発生させるために時分割多重化を導入した.さらに,位相シフト法を利用することによって,ビームスポットの移動についてのボトルネックを解決した.本稿では,ディスプレイ上で行うマウスのドラッグ&ドロップ操作によって,顕微領域のマイクロ物体を自在に捕捉,移動,および配列させることを実現するオンデマンドHOTsシステムについて解説する.

  • 1 東京農工大学 工学研究院 生物システム応用科学府
応用物理 第87巻 第5号 p.344 (2018) 掲載