OYO BUTURI
Vol.87
No.3
2018
3
20183873163
応用物理 第87巻 第3号 (2018)
今月号の概要

超解像顕微鏡/赤外減衰全反射法/発光電気化学セル/高Q値微小光共振器/金属チェッカーボードフィルム/グラフェンナノセンサ/薄膜転写法と表面偏析単分子層

『応用物理』編集委員会

今号は,薄膜転写法,表面偏析単分子層,発光電気化学セル,フォトニックナノ構造デバイス,メタマテリアル,グラフェンナノセンサ,超解像顕微鏡,赤外減衰全反射プローブと,微細な構造や分子検出に関連する多彩な記事を掲載するものとなりました.

「解説」では,近年目覚ましい発展を遂げている超解像顕微鏡の技術・応用面での特徴,蛍光顕微鏡以外における超解像観察の試み,また,今後の技術開発の展望について,生体試料の微細構造の観察を例に挙げてわかりやすく解説します.

「研究紹介」では,まず,赤外光伝送用中空光ファイバと多重反射型の赤外減衰全反射プリズムを組み合わせた赤外吸収分光測定システムによる非侵襲血糖値測定に関する研究について紹介します.

続いて,電子とイオンを同時に活用したイオントロニクスの応用例として,高分子半導体中の電子とイオンの協奏により自発的に形成するpn接合を利用したLight-emitting Electrochemical Cell(LEC)に関する研究を取り上げ,発光素子への応用,レーザー素子への展開について紹介します.

また,高Q値をもった微小光共振器の作製方法から応用例までを紹介し,光を小さな空間に強く閉じ込めることによって可能性の広がる,新しいフォトニックナノ構造デバイスの研究について紹介します.

さらに,近年,新しい光デバイスとして注目されているメタマテリアルの分野からは金属チェッカーボード構造を取り上げ,わずかな構造の違いで絶縁体‐金属転移を示し,その中間構造では周波数無依存の電磁波透過特性を実現するという,金属メタ構造の興味深い光学応答について紹介します.

そして,グラフェンナノセンサ素子を用いて1個の二酸化炭素分子を検出するという,高感度環境センサ応用の可能性を示す研究についても紹介します.グラフェン上に物理吸着した二酸化炭素分子の電荷移動と電界依存性について,実験と理論の両面から解説します.

最後に,さまざまな構造の平面ヘテロ接合界面を構築することのできるユニークな成膜手法である「薄膜転写法」と「表面偏析単分子層」を紹介するとともに,作製した界面構造と光電変換機能の関係を明らかにした最新の研究成果を解説します.

応用物理 第87巻 第3号 p.163 (2018) 掲載