OYO BUTURI
Vol.87
No.2
2018
2
20182872116
応用物理 第87巻 第2号 (2018)
研究紹介

赤外プラズモニクスで拓(ひら)く超高速分光

芦原 聡1草 史野2森近 一貴1櫻井 敦教1

赤外波長域の吸収・散乱スペクトルには,物質の振動スペクトルが現れる.この振動スペクトルは,物質の指紋といわれるように,物質の構造解析および同定に優れる.そこで赤外分光法は,古くから物質科学・生命科学の現場で重宝されており,今日ではフーリエ変換型赤外分光光度計として成熟した感がある.ところが,赤外分光法には,新しい光源やその他の光技術を導入することにより,まだまだ飛躍的に進歩する可能性がある.我々は,赤外分光法に超短パルスレーザーとプラズモニクスの技術を導入し,分子の構造とダイナミクスを高感度かつ表面選択的に映し出す手法を開発している.本稿では,この表面増強‐超高速振動分光法について紹介する.

  • 1 東京大学 生産技術研究所基礎系部門
  • 2 東京農工大学 大学院工学研究院物理システム工学専攻
応用物理 第87巻 第2号 p.116 (2018) 掲載