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第4回化合物半導体エレクトロニクス業績賞(赤﨑勇賞)
受賞者紹介

化合物半導体エレクトロニクス業績賞(赤﨑勇賞)表彰委員会委員長
後藤俊夫

化合物半導体エレクトロニクス業績賞(赤﨑勇賞)は,赤﨑勇氏が2009年京都賞を受賞された際の賞金の一部を基金として設立されました.本賞は,化合物半導体エレクトロニクス分野において新しい技術の開発,発明,新原理の発見,または卓越した実証システムの構築などにおいて顕著な業績をあげた方1名または1件に対して顕彰いたします.

今年度の機関誌「応用物理」による公募に対して推薦のあった候補者に,前年度および前々年度推薦のあった候補者を選考対象者として,2013年11月開催の表彰委員会において慎重な審議を行った結果,纐纈明伯氏を第4回化合物半導体エレクトロニクス業績賞(赤﨑勇賞)の受賞者に決定いたしました.

本賞の授賞式はこの春の第61回応用物理学会春季学術講演会の会場(2014年3月17日(月) 夕刻、青山学院大学)でおこなわれます。また、受賞を記念して「化合物半導体エピタキシャル成長の熱力学解析および高品質バルク結晶成長法の創製」に関する記念講演(青山学院大学)を予定しています。是非ご参集ください。

受賞者:
纐纈明伯氏(東京農工大学 副学長・教授)
業績:
化合物半導体エピタキシャル成長の熱力学解析および高品質バルク結晶成長法の創製

纐纈明伯氏は、一貫してGaAsに代表されるⅢ-Ⅴ族化合物半導体およびGaNに代表される窒化物半導体の気相エピタキシャル成長に関する研究に従事してきました。化合物半導体の気相エピタキシャル成長法に化学反応の熱力学を適用することにより、MOVPE, HVPEおよびMBEにおける成長条件と成長量および成長組成の関係を明らかにしました。特に、Webを用いた熱力学解析サービスを運営し、全世界の研究者が自らの成長条件で熱力学解析が可能な環境を提供した業績は高く評価されます。

また、同氏は気相成長の成長メカニズムの解明のために、原子・分子レベルで測定が可能なその場測定装置を考案・構築し、多くの知見を明らかにしました。その中でも、化合物半導体の最表面からの原子の脱離過程に関する知見は、GaN自立基板の作製手法の確立に大きく貢献しました。さらに、熱力学と第一原理計算を融合させた解析手法を開発し、従来の熱力学解析では不可能な成長面依存性などを明らかにするとともに、新しい原料分子を用いた成長手法を考案し、それまで不可能と考えられてきたAlNやInGaNのHVPE厚膜成長を可能にしました。これらの知見は、窒化物半導体を用いた発光デバイスの開発に大きく貢献しました。このように、基礎的な研究の成果から多くの実用的な成長法が提案され、企業化に大きく貢献しました。

以上のように、纐纈明伯氏の業績は非常に顕著であり、第4回化合物半導体エレクトロニクス業績賞としてまことに相応しいものです。

化合物半導体エレクトロニクス業績賞表彰委員会
委員長
後藤俊夫(中部大)
委員
澤木宣彦(愛工大)、中野義昭(東大)、奥村元(産総研)、岸野克巳(上智大)、吉川明彦(千葉大)、福井孝志(北大)、木本恒暢(京大)、天野浩(名大)