OYO BUTURI
Vol.86
No.12
2017
12
20171286121057
応用物理 第86巻 第12号 (2017)
研究紹介

光でほどける螺旋(らせん)状ナノ線維

矢貝 史樹1

生体内には,微小線維と呼ばれる螺旋状のタンパク質集合体が存在し,さまざまな機能を担っている.同様の精緻な線維状集合体の人工系における構築は挑戦的な課題であり,機能性分子をモノマーとして用いることで,人工系ならではの機能の発現が期待される.我々は今回,光照射によって螺旋構造がほどける人工線維の開発に成功した.この新しい線維は,光異性化分子であるアゾベンゼンを導入した水素結合性分子を非共有結合によって重合(超分子重合)することで得られる.この分子は,ロゼットと呼ばれる6量体ユニットを経由して重合するが,ロゼットが重合する際に均一な曲率が生じ,アゾベンゼンの光異性化によってこの曲率が失われることがわかった.

  • 1 千葉大学 グローバルプロミネント研究基幹
応用物理 第86巻 第12号 p.1057 (2017) 掲載