OYO BUTURI
Vol.86
No.10
2017
10
2017108610892
応用物理 第86巻 第10号 (2017)
研究紹介

高強度中赤外光源によって拓(ひら)かれる固体強光子場科学

金島 圭佑1水野 智也2石井 順久2板谷 治郎2

近年の光パラメトリック増幅手法の進展によって,中赤外域での高強度極短パルス発生が可能となった.例えば,マイクロジュールクラスの中赤外フェムト秒パルスを集光することにより100MV/cmを超える光電場の発生が可能である.また,光子エネルギーが典型的な物質のバンドギャップと比べて十分小さいことから,多光子イオン化が起きにくく,固体中に非破壊的に強い光電場を印加してコヒーレントな電荷の運動を誘起したり,ナノ構造体における電場増強を利用して光電子を放出させたりすることが可能である.本稿では,我々の研究室で開発された高強度中赤外光源と,それを用いた固体における強光子場現象への応用を概説する.

  • 1 北海道大学 大学院工学研究院
  • 2 東京大学 物性研究所
応用物理 第86巻 第10号 p.892 (2017) 掲載