OYO BUTURI
Vol.86
No.7
2017
7
20177867576
応用物理 第86巻 第7号 (2017)
研究紹介

スパッタリング法による高品質窒化物半導体の形成とデバイス応用

藤岡 洋1上野 耕平1小林 篤1太田 実雄1

III-V族化合物半導体素子は高い性能を示すことが知られているが,製造コストが高いことから応用分野は限定されている.我々は最近,低コストのスパッタリング法を用いて高品質の窒化物半導体を低温でエピタキシャル成長させる技術を開発した.この手法を用いて成長させた窒化ガリウム(GaN)結晶の物性は従来手法によるものと遜色なく,また,発光ダイオード(LED)や高電子移動度トランジスタ(HEMT)といった素子も作製できることがわかった.さらに,安価な非晶質の基板の上にもグラフェンのバッファ層を介してGaNの結晶成長が可能であり,フルカラーのLEDなどの素子が作製可能であることがわかった.これらの成果は性能の高い無機結晶半導体を用いても有機ELディスプレイのような大面積素子が実現可能であることを示している.

  • 1 東京大学 生産技術研究所
応用物理 第86巻 第7号 p.576 (2017) 掲載