OYO BUTURI
Vol.86
No.6
2017
6
20176866453
応用物理 第86巻 第6号 (2017)
総合報告

固体量子情報デバイスの現状と将来展望 ── 万能ディジタル量子コンピュータの実現に向けて

阿部 英介1伊藤 公平1,2

今,量子コンピュータが熱い.つい最近まで基礎科学と思われた研究分野に,いつのまにか民間の資金が投入され,さまざまなエンジニアを巻き込んだ開発が急速に進んでいる.カナダのベンチャー企業D-Wave Systems社が,超伝導デバイスによる量子アニーラを開発し,Lockheed Martin社やNASA-Google社のコンソーシアムへ販売したことはよく知られているし,D-Wave社以外のベンチャー企業も次々出現している.さらに,米国ではGoogle,IBM,Intel,MicrosoftといったIT,半導体産業のメジャー各社が量子コンピュータ開発に本腰を入れ始めた.本稿では,量子コンピュータの究極の目標である万能ディジタル量子コンピュータ研究を主題としてその現状を概観し,将来を展望する.

  • 1 慶應義塾大学 スピントロニクス研究センター
  • 2 慶應義塾大学 理工学部物理情報工学科
応用物理 第86巻 第6号 p.453 (2017) 掲載