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第11回光・量子エレクトロニクス業績賞(宅間宏賞)
受賞者紹介

光・量子エレクトロニクス業績賞(宅間宏賞)表彰委員会委員長 加藤義章
光・量子エレクトロニクス業績賞は、光・量子エレクトロニクス研究分野において顕著な業績をあげた研究者を顕彰することを目的として、宅間宏先生(電気通信大学名誉教授)の紫綬褒章(応用物理部門)受賞記念パーティーと定年記念会におけるご祝儀、および宅間宏先生からのご寄付を基金として1999年に設立されました。

第11回光・量子エレクトロニクス業績賞の選考は、「応用物理」6,7,8月号に掲載された公募に対して2009年10月31日までの過去3年間に推薦があった12件の候補者について表彰委員会において慎重な審議を行った結果、中沢正隆氏を第11回光・量子エレクトロニクス業績賞(宅間宏賞)の受賞者に決定しました。

なお、授賞式は2010年春季学術講演会(東海大学)の初日夕刻に行われます。
また受賞者による受賞記念講演が学術講演会の会期中に行われますので、是非ご参集ください。

  • 受賞者:中沢正隆氏 (東北大学電気通信研究所教授)
  • 業績:エルビウム光ファイバ増幅器(EDFA)の先駆的研究開発と光通信への応用
中沢正隆氏は、波長1.48 μm InGaAsP半導体レーザを励起光源とすることにより、小型・高信頼のエルビウム添加光ファイバ増幅器(EDFA:Erbium-doped Fiber Amplifier)を世界で初めて実現されました。

EDFAにより、一本のファイバに数百チャンネルの光信号を送る波長多重通信、超高速通信などの技術が飛躍的に進展し、その結果今日のフォトニックネットワークが実現されることとなりました。特にEDFAにより、中継間隔の拡大、高速システムへのビットフリー対応、ならびに光中継器の小型高性能化が可能になり、今日のグローバル情報通信技術の要となる高速長距離海底光通信システムが実現されました。

またEDFAは、レーザ、波長変換、光スイッチングなどの高速光信号処理、ならびに非線形光学など多くの光・量子エレクトロニクス分野に応用され、今日の光分野の研究開発に不可欠な装置となっています。

中沢氏はさらに、EDFAを用いた10〜40 GHzの高速超短パルスレーザの開発、1.28 Tbit/sという世界最高速の光時分割多重方式伝送の実現、EDFAを光中継器としたソリトン伝送方式の提案など、様々な光伝送技術の構築に大きく貢献されています。

また、ソリトンの同期変調により伝送距離に制限がない通信が可能であることも実証し、最近では光の位相に着目し、シャノンリミットに近い高い周波数利用効率を実現するコヒーレント光伝送技術を提案するなど、精力的に研究を進めています。

以上のように中沢氏によるEDFAの先駆的研究開発とその光通信への応用に関する業績は極めて大きく、光・量子エレクトロニクスの発展の礎として世界的に高く評価されています。

2009年度 光・量子エレクトロニクス業績賞表彰委員会
  • 委員長 加藤義章
  • 委員 植田憲一、大木裕史、五神真、小林哲郎、清水富士夫、菅博文、中沢正隆