応用物理学会
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第8回光・量子エレクトロニクス業績賞 受賞者紹介

光・量子エレクトロニクス業績賞表彰委員会 委員長 加藤 義章

第8回光・量子エレクトロニクス賞の受賞者の選考は規程に従い,2006年10月末までの過去3年間に推薦があった11件15名の候補者(表彰委員推薦を含む)を対象に選考を行い,「セラミックレーザーの開発」に対して,池末明生氏((株)ワールドラボ代表取締役)、柳谷高公氏(神島化学工業(株)詫間工場セラミックス部)、植田憲一氏(電気通信大学教授、レーザー新世代研究センター長)に進呈することに決定しました。

なお、植田委員が候補者になったため、同委員は選考に加わらず、残りの委員で審査を行いました。

固体レーザーは、科学から産業まで広範囲に用いられています。セラミックレーザーは、結晶微粒子で構成される透明な多結晶体を用いたレーザーで、材料開発、初めてのレーザー発振、さらには高品質高出力レーザー実現まで、全てわが国で開発されました。池末氏らは、原材料微粉末の混合、加圧成型、焼結により光散乱が極めて少いNd:YAGセラミックを作成し、単結晶Nd:YAGと同等のレーザー発振が得られることを1995年に世界で初めて示しました。

一方、柳谷氏、植田氏らは、湿式合成で生成したNd:YAGナノサイズ前駆体を、鋳込み成型、焼結する方法で大型Nd:YAGセラミックを作成し、単結晶レーザーを超える100W級レーザー発振を2004年に実現しました。セラミックレーザーの優れた光学的・機械的性質、レーザー性能は外国でも認められ、セラミックレーザー開発が世界の研究機関で進められるようになりました。セラミックレーザーは、異なる媒質を複合化したコンポジットレーザー、あるいは高効率・超高出力レーザーなど、固体レーザーに新たな展開をもたらそうとしています。表彰委員会は,独創的な技術開発によりセラミックレーザーを実現し、レーザー応用に新たな可能性を生み出した候補者らの研究業績を高く評価し,第8回光・量子エレクトロニクス賞を差し上げることに決定しました。

表彰式と記念講演は,この春の応用物理学関係連合講演会(青山大学)の会場で行われる予定です。


受賞者: 池末 明生 ・ 柳谷 高公 ・ 植田 憲一
業績: セラミックレーザーの開発
2006年度 光・量子エレクトロニクス業績賞表彰委員会
委員長  加藤義章
委員  植田憲一,大木裕史、五神 真,小林哲郎、清水富士夫、鈴木義二,中沢正隆
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