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第7回光・電子集積技術業績賞(林厳雄賞)受賞者紹介

光・電子集積化技術業績賞(林厳雄賞)表彰委員会委員長 伊藤良一
光・電子集積化技術業績賞は,故林厳雄氏が2001年に京都賞を受賞された際の賞金の一部を基金として,光技術と電子技術を融合し集積化することにより高度な機能を得るための新しいデバイス技術やシステム化技術に関わる研究と当該分野の発展に資する目的で設立された賞です.会誌「応用物理」による公募に対して推薦のあった4名の候補者について昨年11月開催の表彰委員会において慎重な審議をおこなった結果,裏升吾氏を第7回光・電子集積技術業績賞(林厳雄賞)の受賞者に決定いたしました.

裏升吾氏は1987年に大阪大学大学院工学研究科博士後期課程修了後,同大学工学部助手に採用されました.同大学で,集積光学や回折光学に基づいた光集積回路デバイスに関する研究に従事し,光ピックアップデバイスや各種センサデバイス,スポット光強度変調デバイスなど様々な光集積回路デバイスを考案し,その可能性を示してきました.

1993年頃から三次元光集積回路網を含めたオンボードチップ間波長多重光配線技術の基礎検討を始め,2000年の京都工芸繊維大学への異動の前後で次世代光・電子融合システムに関する産学共同研究プロジェクトに参画して以来,実用化に向けた基盤技術の研究開発に従事してきました.

裏氏が提唱する波長多重光配線は,個々の導波モードを制御するもので,配線基板に垂直に入出力する空間光を波長選択して導波光に結合させることにより伝送信号のアドドロップを行うという独創的な方式です.本方式は、多モード導波路光配線や電気配線と比較して,チップ間配線の基本指数である信号帯域密度ならびに消費電力に関して格段に優れたポテンシャルを有しています.

同氏は,上記プロジェクトや(独)産業技術総合研究所との共同研究を通じて,波長多重光配線の中核となる空間光波長アドドロップ素子を考案し,設計・作製技術を開発し,波長多重アドドロップ機能の要素技術ならびに高速波長多重信号の伝送を実証しています.また, 10年後の超高性能システム集積を目指して,低消費電力化と高密度化のための基盤技術開発を推進しています.

これらの研究は,電子回路技術と光回路技術を融合した超高性能システム集積に関連する新たな技術分野の開拓につながるきわめて先駆的なもので,光・電子集積技術進展への大きな貢献です.

本賞の授賞式はこの春の応用物理学関係連合講演会の会場(2010年3月17日(水)夕刻、東海大学)でおこなわれます.また,受賞を記念して「オンボードチップ間波長多重光配線技術の先駆的研究」に関する記念講演(東海大学)を予定しています.是非ご参加ください.

  • 受賞者:裏 升吾 氏(京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科教授)
  • 業績:オンボードチップ間波長多重光配線技術の先駆的研究

2009年度 光・電子集積技術業績賞表彰委員会
  • 委員長 伊藤良一
  • 委員 片山良史,小林功郎,小柳光正,島田潤一,武田光夫,三杉隆彦,米津宏雄,和田修