応用物理学会
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第5回光・電子集積技術業績賞(林厳雄賞)受賞者紹介

光・電子集積化技術業績賞(林厳雄賞)表彰委員会 委員長 伊藤良一

光・電子集積化技術業績賞は,故林厳雄氏が2001年に京都賞を受賞された際の賞金の一部を基金として,光技術と電子技術を融合し集積化することにより高度な機能を得るための新しいデバイス技術やシステム化技術に関わる研究と当該分野の発展に資する目的で設立された賞です.会誌「応用物理」による公募に対して推薦のあった5名の候補者について昨年11月開催の表彰委員会において慎重な審議をおこなった結果,岩田穆氏を第5回光・電子集積技術業績賞(林厳雄賞)の受賞者に決定いたしました.

岩田氏は1970年に名古屋大学大学院工学研究科修士課程修了後,日本電信電話公社(現NTT)に入社,同社電気通信研究所で通信用アナログ集積回路の設計に従事しました.黎明期のCMOSアナログ回路の研究において,1981年に世界で初めてデジタル音声通信のための1チップPCM-CODECを開発,さらに1987年にはLSIの微細化に対応したMASH型AD・DA変換回路を考案し,これがCDプレーヤなどのデジタルオーディオ装置の主流技術となりました.この研究により1994年に工学博士の学位を名古屋大学から授与されました.同年広島大学工学部教授に着任し,アナデジ融合集積回路の研究とともに、光配線をLSIに導入した光電融合集積回路の研究に従事し,その構成法や設計法に関して成果をあげました.

現在は、光配線に無線インターコネクションも含めた新しい三次元集積技術の研究を行っています.岩田氏はVLSI/ULSIシステムにおける電気配線の限界を早い時期から認識し,その対策として光技術の導入のための研究をおこない,光インターコネクションの優位性を理論的に検証するとともに,それを実現するための光導波路の設計や製作技術について研究しました.

また,シリコン導波路、光検出器を搭載した光電融合の画像認識基本回路(コホーネンネットワーク)を世界で初めて試作し,原理を実証しました.これらの研究はきわめて先駆的なもので,光技術と電子技術の集積と融合によりこれまでにない高度な機能を生み出す新分野の基礎となるもので,光・電子集積技術への大きな貢献であります.この春の応用物理学関係連合講演会の会場で授賞式(2008年3月27日(木)17:30 - 18:10 日本大学理工学部船橋校舎)がおこなわれます.また,受賞を記念して「シリコンLSIにおける光インターコネクション技術に関する先駆的研究」に関する記念講演(日本大学理工学部船橋校舎)を予定しておりますので是非ご参加ください.

受賞者:岩田穆氏(広島大学大学院先端物質科学研究科教授)
業 績:シリコンLSIにおける光インターコネクション技術に関する先駆的研究

2007年度 光・電子集積技術業績賞表彰委員会
委員長  伊藤良一
委員  片山良史,小林功郎,小柳光正,島田潤一,武田光夫,三杉隆彦
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